笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版)の第3章「“幸福否定”から見た異常行動や症状の仕組み」の大項目「幸福否定による現象② 自分の進歩や成長を嫌う」で述べられていることを自分の視点から要約した上で、感想をメモします。
●幸福否定による現象② 自分の進歩や成長を嫌う 要約
ア 締め切り間際まで着手が難しい事柄は個人差がある
・事務的メールと文学作品を書くのでは難易度が異なり、文学作品を書くことが一般に先送りされやすい。
・原稿は書けるが、礼状を書けない人がいる。その人は礼状を書いて人に信頼されることに抵抗を持っている。
・月刊誌原稿は書けるが、それをまとめた単行本原稿のチェックを先送りして図書発行が出来なかった人がいる。その人は自分の研究や著書が評価されることによる喜びに抵抗があった。
イ 締め切り間際の集中と能力発揮の理由
締め切り間際の集中と能力発揮の理由
笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版)から引用
・時間の余裕がある時には着手が難しいのに対して、締切りまぎわになるとそれが急速に容易になるのは、時間的ないしは状況的対比で説明できる。
・つまり締切りまぎわまでの長い時間と締切り直前の時間帯とを対比させ、内心が抵抗の強さを一変させる。
・それによって、「計画に従って自発的にとり組むことは自分にとって苦痛だ」と、内心が自分の意識に思い込ませる。
・裏を返せば、本当は、時間の余裕のある段階から、その課題にじっくりととり組み、よいものにしたかったという、強い願望があった。
ウ 創作活動では抵抗が強く現れる
・自分を満足させる作品を作る時、抵抗「産みの苦しみ」が強く現れる。
・反応から逃げて楽な方向へ向かうのではなく、反応が強く出る方向に進めばその分だけ、自分が心から満足できる作品に近づけることができる。
・小林秀雄は、「苦しまなくては、本当の喜びはない」と語った。
エ 内心は人間の根源的幸福を全精力を傾けて否定する
・中原中也は、「常に人は自らで耕さなければならない! すなわ他人を意識することは、夢を即ち生命を壊す。 私は、人と人との習慣的な同意を憎む!」と語った。
・経済的・実利的活動より文化・芸術・科学・探検など未知や未踏の課題に取り組むことの喜びは人間として極めて重要な営みである。
・この重要な営み、つまり人間の根源的幸福を内心が全精力を傾けて否定する
●メモ
ア 反応が出る方向に進む必要性がある
・「締め切り間際まで着手が難しい」という幸福否定現象の解決方向のヒントとして、「反応から逃げて楽な方向へ向かうのではなく、反応が強く出る方向に進めばその分だけ、自分が心から満足できる作品に近づけることができる。」ということが書かれていることに注目したいと思います。
・反応が強く出る方向が、自分が真に満足できる方向であるという情報は自分にとって極めて有益だと思います。
・昨日、ブログ記事を書いていて、眠気を払うことが困難でした。仕方なく、WEBでニュースを読み出したら、それまでの眠気はうそのように消失しました。
・この眠気の急速な消失で、眠気は前夜の睡眠時間が足りなかったと考えていたのですが、そうではなく、自分が本当にしたいことに対する強い抵抗であると直観できました。
・眠気が強い時、あるいは趣味活動に対する興味が薄れて別の刹那的行動(テレビを見るなど)に移りたくなった時、趣味活動に飽きた時などの瞬間に、「趣味活動の重要な興味に対する取り組み」が浮かび上がっていて、それを内心が打ち消そうとしている可能性が濃厚です。
・眠気、興味減退、飽きなどの現象が逆に活動の重要局面を暗示している指標になるということになります。自分の人生では、革命的思考といってもいいと思います。
イ 反応を避けないで、反応と対峙・共生する必要がある
・自分の趣味活動も創作活動の一環であることに間違いはありません。
・社会の評価を求めるのではなく、自分の満足感のための趣味活動ですから、反応が出やすい部類の活動ということになります。
・従って、自分の活動には、反応(苦しみ)と活動の喜びがセットで存在しているということになります。
・反応(苦しみ)無しで活動の喜びだけを甘受しようという虫の良い話は、幸福否定現象を人の心が備えている以上、無いということです。
・反応と対峙・共生する具体的方法は、現時点では笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版)を学習しながら、自分で編み出す必要があると考えます。
・同時に反応と対峙・共生した創作関係者の事例は無数にあるのですから、その無数の事例から学べるものはたくさんあるに違いありません。
花見川風景 2016.07.31 早朝
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