笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版、2016.06)の第1章は「身近な出来事に潜む"幸福否定"」です。
そこで、この章で語られている幸福否定が潜む身近な出来事を列挙し、自分の事例も含めて検討してみます。
第1章では次のような事例が書かれています。
● 幸福否定が潜む身近な出来事 事例
1 締め切りまぎわにならないと課題に手をつけられない現象
2 部屋の片づけも、つい先延ばししてしまい、なかなかできない
3 始業時間や待ち合わせの約束に必ず遅れる遅刻の常習
4 自分が本当にしたいと思っていることを実行しようとする場合、それが難しい
5 青木まりこ現象(書店に入ると便意を催す)
6 自分の好きなものをはっきり言うことはよくないと思うこと
7 自分の食べたいと思っているものを食べることはよくないと思うこと
8 自分が幸福になる資格はないと思うこと
9 引っ越しうつ病
10 昇進うつ病
11 マリッジ・ブルー
12 マタニティー・ブルー
13 内縁関係のふたりが、妻の要望に従って婚姻届を出したとたんに、妻が心身症を発症
14 結婚して子どもがいる夫婦が、そのままではふたりとも心身症状が続くため、意を決して、生活はそのままで離婚届けだけを出したところ、それまでの症状が治まった(逆事例)
15 洋服や電子機器など自分がほしいと思っていたものをようやく購入しても、しまい込んでしまって使わなかったり、何かの理由をつけて、リサイクル・ショップに出してしまう
これらの幸福否定潜在事例について自分をふりかえってみると次のようになります。
1 締め切りまぎわにならないと課題に手をつけられない現象…20代~40代では強く表れていた。最近は組織の中で活動が少ないせいか、あまり体験しない。
2 部屋の片づけも、つい先延ばししてしまい、なかなかできない…過去も、現在もその気がある。異常なゴミ屋敷状態にはしないが、そうありたいと思う整理整頓が永遠にできない。
3 始業時間や待ち合わせの約束に必ず遅れる遅刻の常習…20代~40代では異常さはないが、遅刻もたまにあった。50代以降はほとんどない。皆無に近い。
4 自分が本当にしたいと思っていることを実行しようとする場合、それが難しい…20代~40代では強く表れていた。50代以降はその困難さが薄らいではいるものの、思い通りの活動ができない。
5 青木まりこ現象(書店に入ると便意を催す)…なし
6 自分の好きなものをはっきり言うことはよくないと思うこと…対人関係の配慮からはっきりいわないこともあるが、それはコミュニケーション技術にも関わってくる。自分の好きなものをはっきり言わなかったから損をしたというようなことはあまりなかったと思う。
7 自分の食べたいと思っているものを食べることはよくないと思うこと…同上
8 自分が幸福になる資格はないと思うこと…なし
9 引っ越しうつ病…なし
10 昇進うつ病…なし
11 マリッジ・ブルー…なし
12 マタニティー・ブルー…男性のためなし
13 内縁関係のふたりが、妻の要望に従って婚姻届を出したとたんに、妻が心身症を発症…なし
14 結婚して子どもがいる夫婦が、そのままではふたりとも心身症状が続くため、意を決して、生活はそのままで離婚届けだけを出したところ、それまでの症状が治まった(逆事例)…なし
15 洋服や電子機器など自分がほしいと思っていたものをようやく購入しても、しまい込んでしまって使わなかったり、何かの理由をつけて、リサイクル・ショップに出してしまう…身なりに興味がないので、高級衣類を購入して、「もったいない」という理屈で結局使わないことがあるが、幸福否定の要素はあまりないと思う。興味のある分野(情報、電子機器等)ではない。
著者がたまたま挙げた15事例のうち、同じような体験をしたことがあるのが1~4の4つということになります。
この自分自身のチェックから、次のような感想を持ちました。
ア 幸福否定潜在事例は万人に共通する割合の高いものと、万人には共通しないものがあるような気がします。
1~4はある程度万人が共通して体験するものだと思います。
5~15はたまたま著者があげた個別事例であり、そうした個々の事例と同じような事例は無数にあり、全ての人が強弱は別に過去に体験していると考えます。
イ このブログでは主に1~4の事例について興味を持って検討を深めたいと思います。
ウ この記事を書く中で、自分の人生年月で幸福否定傾向の強さが変化してきていると感じていることは重要な情報だと思います。
50代以降は幸福否定傾向が減じてきているのではないかと思います。
それは成長か? 老化か?
それが自分だけの特性であるのか? 人一般の特性であるのか?
エ 自分の人生をふりかえって、生活技術と幸福否定傾向との間に関係があるのではないかと想定しています。
しかし、笠原敏雄さんは「いわゆるグズを治す方法を教える本などを読んだとしても、ことはそう簡単ではありません。技術の問題ではないからです。」と書いています。
幸福否定の無意識的意思を弱める上で、「グズを治す本」や生活技術がまったく無関係ではあり得ないと思います。
今後幸福否定事象と「グズを治す本」や生活技術の関係についても着目したいと思います。
次の記事で、「締め切りまぎわにならないと課題に手をつけられない現象」について検討します。
大賀ハス
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