2016年6月25日土曜日

「幸せを拒む病」の学習方針

心理療法家笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版、2016.06)をテキストにして、自分の生活向上のために得るものがあるかどうか考えながら、学習をしたいと思います。

この図書の目次は次のようになっていますので、とりあえず最初から読みだして、感想が生まれたことについてメモを書いて、それを記事にすることとします。

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笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版、2016.06)目次

はじめに

第1章 身近な出来事に潜む"幸福否定"

第2章 本当の幸福を否定する心のしくみ

第3章 "幸福否定"から見た異常行動や症状のしくみ

第4章 幸福を素直に受け入れるための方法 -"感情の演技"

第5章 従来の人間観を覆す幸福否定理論

参考文献

おわりに

(詳細目次は記事末に掲載。)
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「はじめに」で著者は「締切りまぎわにならないと手がつけられない」とか、「勉強しようとするとゲームをしたくなる」という現象や、「遅刻の常習犯」とか「三日坊主」と呼ばれる行動について、次のようにこの図書の結論を述べています。

これらの諸問題は、一般社会ではだらしがないとか、意志が弱いといった切り口でとらえられている。

しかし実は、心の専門家であっても、それを自力で克服するのは実はきわめて難しいものである。

これらの問題は「誰もが生まれながらにもっている、幸福を否定しようとする強い意志によって起こった現象」であり、「そうした意志を弱めない限り、その解決はきわめて難しい」のである。

そして自らの幸福を否定するような「無意識的意思」を"幸福否定"と呼び、次のように説明しています。

①自らの「無意識の一部」が、自分が幸福の状態にあることを極度に嫌い、その幸福感を意識にのぼらせないような策を講ずる。

②それと並行して、自分が幸福ではないことを自分の意識に言い聞かせるために、目の前に問題を作りあげる。

③その結果として生み出されるのが、心身症や精神病という病気であり、行動の異常である。


著者は長年の活動の中で、この結論を得て、その理論を発展させているのですから、少なくとも著者は幸福を否定するような無意識的意思をかなり弱めていることは確実です。

また著者のクライアントはもとより、著者の理論を参考にして幸福否定の無意識的意思を弱めている人々が数多くいるに違いありません。

そのような著者や著者の思考の影響を受けた人々の活動(生活)を知り、それが幸福(喜び・創造・能力発揮・人格成長等々)につながっているものならば、大いにそれを学習して、自分の生活を改善したいというのが、このブログの趣旨です。

学問としての心理学や治療施術としての心理療法そのものには特別の興味を持たない自分ですが、はたしてどこまで学習が進むのか、本当に生活改善に至ることになるのか、おそらく2-3年以内程度にはその結末が得られるような直観がして、楽しみです。(あまり時間がかかると、寿命が尽きてこの世に自分がいなくなってしまう。)

なお、著者はこの理論を壮大な今西錦司生物進化論の中で捉えようとしているようです。

とても魅力的です。

もし、今西錦司の棲み分け進化論との関係の中で幸福否定現象の意義を捉えられれば、とても面白いことになります。


旭日(花見川弁天橋から)



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笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版、2016.06) 詳細目次

はじめに

第1章 身近な出来事に潜む"幸福否定"

締切りまぎわにならないと手がつけられない

このうえなく強い抵抗の力

なぜか、絶望的に「片づけられない」人たち

片づけができないのは、技術の問題ではない

「遅刻魔」に共通するふしぎな特徴

"プラス思考"の難しさ

「自分がしたいこと」を実現するのは、とてつもなく難しい

専門家はこのような現象をどう見るか

世に蔓延する「幸福を怖がる症候群」

幸福をじゃまする「楽しさ」という名の悪魔

"幸福否定"という驚くべき心のしくみ

人間は「幸福感」を巧妙かつ確実に遠ざける

現代の定説「ストレス理論」は万能か

歴史的に繰り返される脳神話

「いちばんの幸福」は常に隠ざれる

第2章 本当の幸福を否定する心のしくみ

心の3層構造

「幸福になってはいけない」と願う人たち

なぜか自尊心の低い自己像を作りあげてきた人類

感情には起源の異なる2種類がある

会議で眠気が出るのは「内心」のしわざ

幸福な感情を作らせないようにする心のしくみとは

幸福否定における反応と症状の特徴

心の力によって作られる反応や症状

あらゆる心因性疾患や行動異常の心理的原因となるもの

心理的原因を探り当てたときの変化

「対比」という現象

新型うつ病の心理的メ力ニズム

特殊な対比-"ペットロス症候群"

心因性の症状は幸福のありかを知らせる"指標"

第3章 "幸福否定"から見た異常行動や症状のしくみ

幸福否定という考えかたはどこまで当てはまるか

幸福否定のざまざまな現われ

幸福否定による現象①課題の解決を先送りする

人間は動物よりも劣っているか

懲りない・困らない症候群

幸福否定による現象②自分の進歩や成長を嫌う

締切り間際まで着手が難しい理由

創作活動と抵抗

幸福否定による現象③自他の愛情を受け入れようとしない

マリッジ・ブルー

マタニティー・ブルー

子供の虐待

幸福否定による現象④反省を避ける

反省の本質とは?-麻原彰晃と林郁夫の事例から探る

反省を避けようとするのはなぜか

第4章 幸福を素直に受け入れるための方法 -"感情の演技"

私の心理療法の目的と方法

"感情の演技"によってどのような変化が起こるのか

仕事に関係して起こる変化

私生活の中で起こる変化①行動的側面

私生活の中で起こる変化②心理的側面

感情の演技のやりかた

感情の演技の典型的経過

感情の演技を効果的に行なうコツ

感情の逃げ道をふさいでイメージを描く

心理的原因を絞り込んでいく方法

感情の演技がもつ力

「反応」がもつ重大な意味

内心がしかける「幸福否定」のための隠蔽工作

あまりにも強く抵抗する内心のカ

本当は喜ばしい好転を否定するのはなぜか

意識で納得できる心理的原因は無意味

無意識に潜む真の心理的原因を探り出すためのヒント

心理的原因を突き止める-心因性の発熱の事例

「本当にしたいこと」を探り出す方法

第5章 従来の人間観を覆す幸福否定理論

科学の世界で待ち構えている悪魔の誘惑

「超常的現象に対する否定的態度」は科学者の自己欺隔

科学的理論としての"幸福否定"

革命的な治療理論との出会い

史上最大級の発見をした小坂英世の功績

専門家はなぜ、小坂療法を徹底的に拒絶したのか

驚異的な成果をあげていた小坂教室

目まぐるしい展開をみせる小坂理論

反応を唯一のコンパスとした冒険

自分の意識を説得する手段としての「症状」

内心の抵抗と超常現象

ストレス学説に代わるあらたな考え方

幸福否定の普遍性

参考文献

おわりに

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