2016年8月25日木曜日

睡魔の心理的原因を感情の演技で特定する実験 計画

趣味活動で発生する睡魔の心理的原因を感情の演技で特定する実験を次のように計画しました。

1 活動項目リストの抽出

この半年の活動で特に興味を持った項目を24抽出しました。

抽出した項目(部分)

2 活動項目表示画面

活動項目をランダムにパソコン画面に表示します。

活動項目の意味(活動内容そのもの)が理解しやすいように、その活動項目をイメージしやすい画像を1枚用意して画面に張り付けました。

活動項目表示画面 File Maker画面

画像はあくまでその活動項目自体を思い出すきっかけとするためのもので、それ自体に注意や興味はもたないようにします。

3 感情の演技

活動項目表示画面を見て、その活動そのものを理解し(思い出し)、その活動の楽しさ、うれしさ、新しいことがらがわかるプロセスにいるワクワクさ、これまでできなかったことができるようになるドキドキ感などをできるだけリアルに思い出します。その感情を頭に継続して思い浮かべます。

その時、どのような反応が生まれるか、自分を観察します。

実験(感情の演技)は繰り返し行う予定です。

今はまだわかりませんが、一通りの結果が出れば、睡魔原因特定のための次のステップが見つかると思います。



2016年8月24日水曜日

反応や症状の心理的原因を絞り込んでいく方法 感情の演技

2016.08.09記事「幸福否定の意思を弱める方法 感情の演技」で幸福否定の意思を弱める方法としての感情の演技について学習しました。

これ以外に感情の演技は反応や症状の心理的原因を突き止めるための手段として使うことができることが笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版)で詳しく紹介されています。

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心理的原因を絞り込んでいく方法

先述のように、感情の演技は、反応や症状の心理的原因を突き止めるための手段として使うこともできます。

抵抗を呼び覚ますという点で、完全に共通しているからです。

実際に心理的原因を探り出す方法は後ほど詳しく説明しますが、ここでは、“青木まりこ現象” のように、症状の出る状況が特定されている場合に、原因を精密に絞り込む方法を説明することになります。

原因を突き止める手段として利用する場合、感情を作るというよりは、ふたつの事柄をむりやり結びつけるというやりかたを主に使います。

これを、私は“結びつけ” と呼んでいます。

具体的なやりかたは後ほど説明します。

ここで、原因を突き止める手段として使った場合の判定基準を、先に説明しておきます。

そのためには、

・どの感情を作るのが難しかったか

・どの感情を作ろうとした時に最も反応が出やすかったか

というふたつの指標を使います。

このふたつはだいたい一致します。

つまり、作るのが難しい感情の場合には、反応も出やすいということです。

たとえば先ほどの、“青木まりこ現象” を起こす人であれば、「本が好きだ」という感情を作ろうとした時に感情が出たとすると、その人は、自分の意識で感じている以上に、本当は本が好きだと考えてよいでしょう。

そのような人では、書店に入ったとたんに、便意を含め、何らかの症状を出す可能性が高いはずです。

あるいは、「読みたい本が見つかってうれしい」という感情が作りにくく、その時に反応が出やすかったとすれば、その人は意識で感じている以上に、読みたい本を探し当た時のうれしさが強いことになります。

この場合には、書店に入った時点で症状が出るのではなく、店内をしばらく探し歩き、読みたい本が見つかったとたんに症状が出る可能性が高いことになるでしょう。

そうした推定が正しいかどうかを確認するには、次のようにします。

たとえば先ほどの「本が好きだ」に抵抗があるとすると、自分が書店に入った時に便意が出るのは、次の理由によるのではないかと考えてみるのです。

①本が好きなためだ

②それ以外の理由による

①の場合は「自分が書店に入った時に便意が起こる」という現象と、自分が「本が好きだ」という感情を結びつけようとしてみるということです。

②は、この場合、比較のための対照です。

この推定が当たっている場合には、磁石の同じ極を近づけた時のような反発が起き、ふたつを結びつけることが難しくなります。

それとともに、反応も起こります。

その場合には、②を考えた時には抵抗は起こらず、簡単に結びつけができるはずです。

何度か繰り返しても同じ結果になれば、それで原因がほぼ確定されたと考えてよいでしょう。

そして、「本が好きだ」という感情の演技を、今度は治療として続けるわけです。

しばらく続けて、もし感情が少し作れるようになったら、その段階で抵抗の強い別の課題を探します。

ただし、中には対照のほうに抵抗が起こって結びつけができないこともあります。

その場合には、「本が好き」ということ以外に、書店に入ったとたんに喜びが起こる別の理由を探さなければなりません。

他の可能性を探るヒントは、どのような書店で起こりやすいか、図書館や古書店ではどうか、買いたい本が決まっている時かどうか、誰かと一緒の時かどうか、時間帯は関係があるかなど、さまざまな条件に当たり、共通点を探し出すことです。

その結果、買いたい本が決まっている時には便意が起こらないことがわかったとすれば、「自分が読みたい本を、たくさんの新刊書の中から探し出す喜び」の否定という可能性が浮かび上がるでしょう。

このように、いちいち反応を使って確認しながら、その人なりの心理的原因を絞り込んでゆくわけです。

この場合、反応は嘘のように簡単に起こります。

そのおかげで、反応は、肝心な事柄を探り出す際の非常に有力な目印として、かなり実用的に使えるのです。

逆に言えば、これほど明確な現象が、これまで全く知られていなかったことのほうがよほどふしぎに思えます。

しかしながら、それもまさに抵抗の結果なのです。

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これまでの学習から、自分なりに感情の演技の活用場面を要約すれば、

1 問題とする反応や症状の心理的原因を特定するために、感情の演技を活用する

2 特定した心理的原因に関わる反応や症状を緩和するために(幸福否定の意思を弱めるために)、感情の演技を活用する。

ということになります。

感情の演技について知識レベルでは一応理解できた(と思った)ので、実際に自分自身が実験的に実施体験することにします。

次のような実験を行うこととします。

1 問題とする症状として、趣味活動における睡魔を設定します。

趣味活動(ブログ記事作成等)において、睡眠時間が不足していないにも関わらず睡魔に襲われることがたびたびあります。

一方、WEBで世の中を騒がしているようなニュースを読んだり、ネットサーフィンしているときは、睡眠時間が少なくても(体調が悪くても)、睡魔は発生しません。

学生時代に試験勉強を始めようとすると眠くなったり、いつもは気が付かない些事のとりこになってしまい、勉強が始まらない時と同じような状況が発生します。

このような睡魔克服を最終目標として実験を始めます。

2 睡魔の心理的原因を感情の演技で特定します。

趣味活動(ブログ記事作成)といっても、3つあるブログのうち、「花見川流域を歩く番外編」と「学習 幸福否定」の活動では睡魔を体験しません。

3つのブログは全て同じ趣味でお遊びですが、この2つのブログはお遊びのまたお遊びですから当然です。

睡魔に襲われることがある「花見川流域を歩く」(本編)の活動で、どのようなテーマで、どのような状況で睡魔に襲われるのか、その心理的原因を感情の演技を活用して突き止めたいと思います。

実験計画の詳細は次の記事で報告したいと思いますが、上の引用文章で述べられている「結びつけ」を多様することになると思います。

幸い、
反応を利用した「本当にしたいこと」探索実験 その1
反応を利用した「本当にしたいこと」探索実験 その2
反応を利用した「本当にしたいこと」探索実験 その3
の体験が生きることになります。

3 特定した心理的原因に関わる睡魔という症状を緩和するための感情の演技を実施します。

個人レベルでどこまで実施でき、どこまで効果があるか現段階では全く不透明ですが、チャレンジしてみます。

花見川風景 2016.08.24






2016年8月22日月曜日

反応を利用した「本当にしたいこと」探索心理実験 その3

笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版)の第4章に出てくる「「本当にしたいこと」探索心理実験を自分なりの方法で実施しています。

第1回実験までの経緯と結果報告は次の記事で書きました。

2016.08.14記事「反応を利用した「本当にしたいこと」探索心理実験 その1

2016.08.15記事「反応を利用した「本当にしたいこと」探索心理実験 その2

第1回実験では「本当にしたいこと」リストを体系的に整備して、その順番で実験をすすめたのですが、体系化した順番での実験に多少違和感を感じました。

また、同じ実験を繰り返すとフィードバック効果みたいなもがどのように表れるかということにも興味を持ちました。

そこで、「本当にしたいこと」リストをランダム表示する方法で第2回実験を行いましたので、その結果をメモします。

1 心理実験ソフトの改良

パソコンソフト(File Maker)に乱数フィールドとシリアルフィールドを設けて、「本当にしたいこと」項目をランダム表示するようにしました。

また第1回実験メモを非表示とし、第2回実験メモ欄を新設しました。

第2回心理実験用画面

なお、反応があった場合、それが小さいものであるばあいはキーボードの適当な部分を軽くたたく、大きなものである場合はキーボードの適当な部分を連続してたたくことにして、意味のある文字を書くことは気が散るのでやめました。

2 第2回心理実験の結果

次に第2回心理実験の結果を示します。

第2回心理実験結果1/3    ◎ 強い反応あり、○ 反応あり

第2回心理実験結果2/3    ◎ 強い反応あり、○ 反応あり

第2回心理実験結果3/3    ◎ 強い反応あり、○ 反応あり

3 結果検討

3-1 反応種類

第1回実験は他のブログ記事を書き終わり、頭脳の疲労が残る状態で実施しました。

この時の反応は主に睡魔でした。

第2回実験は早朝の頭脳コンディションが良い状態で実施しました。

反応はあくびと耳奥のかゆみです。

反応種類は体のコンディションによって発現部位が変化して表れるという印象を持ちました。

3-2 反応観察数

第1回実験の反応数は◎1、○6、第2回実験の反応数は◎3、○11です。

反応数が倍増しました。

第2回実験は体調が良い状況なので、それが反応数倍増に関係したのではないだろうかと想像します。

3-3 「本当にしたいこと」の変化

3-3-1 連続性

第1回実験での反応(◎1、○6)のうち3つが第2回実験でも反応がでました。

また基礎学力分野、花見川自然環境分野、河川行政分野ではいずれの実験でも反応が出ていません。

このように、第1回実験と第2回実験の結果に連続性、継続性が見られます。

3-3-2 変化

同時に第1回実験では反応が全くでなかった考古歴史分野、データベース構築分野から合計8つの反応がでました。

想定していた以上の変化です。

なぜこのように変化したのか、その理由として次の2点を想定しました。

1 「本当にしたいこと」の体系的表示順番をランダム表示順番にしたので変化した

第1回実験では「本当にしたいこと」を体系的に整理して、自分が現在特段に興味がある考古歴史分野とデータベース構築分野を実験の最初にもってきました。

この時、実験に対するかまえ意識が強く、反応が抑えられた可能性があります。

第2回実験では項目をランダム表示していますから分野に関するかまえ意識は生じません。

2 第1回実験のフィードバック効果

第1回実験で反応が無かったという知識により、第2回実験では意識の奥で「反応を期待」してしまい、それが現実化してしまったという可能性もあります。

3-4 実験結果の活用策

「花見川流域地誌まとめ」と「花見川河川争奪まとめ公表」はともに第1回実験と第2回実験の双方で反応が出ています。

その趣旨である「まとめ」が自分にとって「本当にしたいこと」であるという情報を大切にして、有功活用することにします。

また、第1回実験と第2回実験を足して生まれる情報を趣味活動の中で参考にしたいと思います。

なお、この実験の紹介記事はこれで終わりにしますが、活動としてはさらに同じ実験を繰り返し、より有用な情報が得られるか確かめ、得られた情報は趣味活動に活用します。

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4 参考メモ

「本当にしたいこと」とは関係ありませんが、ここで作成した心理実験システムを画像評価に使えるのではないだろうかと期待が膨らんでいます。

ブログ花見川流域を歩く番外編ではEarth View from Google Earthの画像(壁紙画像)を間欠的に紹介しています。

このブログにおける画像紹介において、画像抽出にこの心理実験システムを活用できそうです。

多数のEarth View from Google Earth画像をFile Makerでランダム表示して自分の反応を記録します。

反応の生まれた画像とは自分がその画像を忌避しようとしていると考えます。

自分が忌避しようとしている画像とは、その画像に自分の本当の(大切な)興味が隠されていると考えます。

その隠された意味を少しでも語ることができれば、画像に対する自分固有の解釈が成立します。

画像に対する自分固有の解釈ができれば、画像紹介の情報発信(ブログ記事作成)が楽しくなります。




2016年8月15日月曜日

反応を利用した「本当にしたいこと」探索心理実験 その2

2016.08.14記事「反応を利用した「本当にしたいこと」探索心理実験 その1」の続きです。

心理実験結果を次に示します。

心理実験結果1/3  ◎ 強い反応あり、○反応あり

心理実験結果2/3  ◎ 強い反応あり、○反応あり

心理実験結果3/3  ◎ 強い反応あり、○反応あり

1 反応観察数

事前に用意した「自分がしたいこと」項目59を1つずつパソコン画面に大きく投影し、1項目20秒ほど眺め、自分に反応がでるかどうか観察しました。

反応は全部で7項目で観察できました。

その項目に意識を集中できないで、眠気をもよおすような反応が6項目、実際に瞬間的に眠ってしまい意識が途切れた反応が1項目で観察できました。

自分の反応を自分が観察するという最初の体験をしたことになります。

2 実験結果の解釈

強い反応がでた花見川流域誌とりまとめは3年程前の趣味活動のメインテーマです。

足で歩いてブログ記事を書く中で、書物からはなかなか得られない地域の情報を自分なりにまとめてみようと考えました。

そして、いろいろと準備をしました。

しかしいろいろな理屈が去来し、そうした中で中断し、忘れられてしまった「したいこと」です。

笠原敏雄先生の理論に従えば、花見川流域誌とりまとめが評価されることによる喜びに抵抗があるということになるのではないかと思います。

自分の進歩や成長を嫌うという幸福否定現象を、自分の心の中であからさまに確認することができました。

普段、自分が意識できない心の深層をこの心理実験がえぐり出したのですから、体全体で驚きました。

弱い反応がでた項目の一つである花見川河川争奪まとめ公表も花見川流域誌とりまとめとほとんど同じように、それが評価されることによる喜びに抵抗があるということだと思います。

ただ、こちらの方はあらかたとりまとめてブログ記事としての情報発信はしていますから、反応が幾分弱かったのだとおもいます。

反応が全くでなかった区分に、この2年間の趣味活動のメイン項目である考古歴史、データベース構築が含まれることに驚きます。

この2年間これらの項目に熱中し、楽しんでいるのですが、それらは「本当にしたいこと」とはすこし違うということが表現されているようです。

3 「本当にしたいこと」心理実験の追試

今回の実験で自分の幸福否定現象を確認できたのですが、この心理実験を条件を変えて何度か繰り返し、追試したいと思います。

次のような追試を行います。

ア 「したいこと」項目をランダム表示して同じ実験を行う。

ランダム表示と体系的表示の違いがあるか?

同じ項目の追試による効果(フィードバック効果)があるかないか?

イ 「したいこと」項目を趣味活動から生活全般に広げて同じ実験を行う。

趣味活動から生活全般に広げて同じ実験を行って、同じような成果(進歩や成長を嫌う心の現象の意識化)が得られるか確認します。

ただし、この実験結果をブログ記事で具体的に報告することはプライバシーの観点からできないと思います。

4 実験結果の活用策

実験結果を趣味活動でどのように活用していくか、その方法に大いに興味が湧きます。

しかし、当面、今回の最初の実験結果を直ちに趣味活動に活かすことは控えます。

実験の追試やこれからスタートする感情の演技結果を踏まえて、じっくり構えて、実験成果を活用することにします。

急ハンドルを切って逆に事故を起こすことにならないように注意します。

「本当にしたいこと」がわかったのですから、中期的には、趣味活動はそちらの方向に大きく舵を切ることになると思います。









2016年8月14日日曜日

反応を利用した「本当にしたいこと」探索心理実験 その1

笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版)の「第4章幸福を素直に受け入れるための方法-“感情の演技”」に「「本当にしたいこと」を探り出す方法」という小見出しがあり、誰でもできるユニークな心理実験法が紹介されています。

感情の演技に本格的に取り組む前に、この「本当にしたいこと」を探り出す心理実験を実施してみました。

1 「本当にしたいこと」を探り出す心理実験

「本当にしたいこと」を探り出す方法」は次のように記述されています。

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「本当にしたいこと」を探り出す方法

しばらく前から、自己実現という言葉がよく聞かれるようになりましたが、自分の本当にしたいことが意識でわかっている人は、実際にはそれほどいないでしょう。

では、それを突き止めるにはどうしたらいいのでしょうか。

それには、大きく分けてふたつの方法があります。

ひとつは、それまで何度も挑戦しながら挫折を繰り返してきたものを思い起こしてみることです。

ところが、この方法では、あまり抵抗のないものしか出てきません。

思いつきもしないようなことは探り出せないのです。

もうひとつの方法は、反応を利用して探り当てるという、私が心理療法の中で日常的に使っている方法です。

これは、反応という客観的指標のいわば応用編です。

反応はこのような形でも利用できるということがおかわりいただけるはずです。

参考までに、その方法を簡単に紹介しておきます。

上図のように、まず、自分の関心を振り返りながら、候補となりそうないくつかの分野を白紙に書き出します。

ただし、これは単なる一例なので、実際には自分なりの項目を選んで列挙してみてください。

そして、1行しか見えないように、2枚の紙で上下を隠し、自分の本当にしたいことはこれだと言い聞かせながら、1行あたり20秒くらいの時間をかけて、紙をずらして、上から順に見ていきます。

ただ見ているだけでよいのです。

これまでの経験ですと、7割前後の人に、そのどこかで眠気、あくび、身体的変化のいずれかの反応が出ます(ただし、これは心理療法をある程度続けた人たちの比率なので、全くの初心者の場合には、この比率はもう少し低いと思います)。

この方法を使った場合には、文字がはっきり見えなくなるという、この方法に沿った反応が出ることもあります。

とりあえず、反応が出たものが自分の本当にしたいことと考えてよいでしょう。

それは、自分にとって意外なものかもしれません。

笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版)から引用
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2 自分のしたいことリストの作成

自分のしたいことは常々ブログ記事に「夢リスト」などとして記録してきています。

しかし、よくよく考えると、自分のしたいことが時間の経過とともに変化してきています。

さらに不思議なことに、ある時期に熱中して「有望なテーマ」と考えた興味がいつの間にか「忘れて」しまって、意識に上らなくなっていることに気が付くことがあります。

笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版)を読んで薄々気が付くのですが、本当に自分がしたいことが無意識的に後景に押しやられてしまうシステムが自分の中にあるように感じます。

そこで、現在の自分の意識として「したいこと」を思い出してリストアップするのではなく、過去5年半に自分が書いたブログ記事をザット読み返して、過去にしたいと考えたというファクトを確認してリストアップしました。

59項目がリストアップされました。

反応を利用して「本当にしたいこと」を探り出す心理実験用リスト

3 反応を利用して「本当にしたいこと」を探り出す心理実験パソコンソフトの作成

59項目リストを紙で隠して、1項目ずつ眺めるのはあまりに手元がせわしないので、より実験環境が安定するように、パソコンソフトを自作して、パソコンを活用して心理実験を行いました。

59項目を1項目ずつ「眺めて」反応がでるかどうか自分を観察しできるシステムとしました。

具体的には、データベースソフトFile Makerを利用して、クリックするたびに心理実験用リストが1つだけ画面中央に表示され、何か反応が起こればメモできるようにしてあります。

File Makerで構築した心理実験画面 項目1

File Makerで構築した心理実験画面 項目2

4 「本当にしたいこと」を探り出すための心理実験の実施

パソコン画面を見ながら、自分の反応を観察するという実験を行いました。

日常の趣味活動(ブログ記事作成活動)で重要な興味(特段に面白い、発展性のある興味など)に気が付くと反応(睡魔など)が生じることは珍しいことではありません。

しかし、それを心理実験と銘打って行うこと、つまり、自分の反応という内部現象を客観的に観察することがどのような体験になるのか実施するまで検討がつきませんでした。

実際に実験すると、確かに反応がでて、その情報は有用であると感じられる結果となりました。

自分の反応(内部現象)を客観視するということの体験に成功しました。

パソコンを使った実験は成功です。



心理実験結果は次の記事で紹介します。



2016年8月9日火曜日

幸福否定の意思を弱める方法 感情の演技

笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版)では幸福否定の意思を弱める方法として、“感情の演技”を詳しく説明しています。

この記事では感情の演技の概要説明文を引用し、その感想を述べます。

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心の研究室では、幸福否定の理論に基づいて、“感情の演技” という方法を中心にした心理療法を行なっています。

具体的な方法は後ほど説明しますが、要するに、うれしいという感情を中心に、素直な感情を作ってもらうのです。

それによって、幸福否定の意志を弱めようとするわけです。

これが、感情の演技という方法です。

身体的な演技のように、感情を作る努力をするという意味です。

訓練の場合には、少しずつ上達することが実感されるものですが、感情の演技では、それとは違って達成感がほとんどありません。

しかも、幸福否定の意志はとてつもなく強いので、長い年月をかけても、ごくわずかずつしか弱めることはできません。

さらには、その好転も、他人からはわかっても、本人の意識にはほとんど自覚されないため、はりあいというものがほとんど感じられないのです。

それに加えて、感情の演技をすると、それてしまわない限り、反応というものが例外なく起こります。

先述のように反応は、それが表出すること自体に治療効果があるわけではありませんが、その感情の演技のやりかたが正しいことを教えてくれる目印になります。

反応の強さはさまざまで、場合によってはかなり激しいこともあります。

その場合には、治療というよりは、むしろ修行のような感じにすらなるでしょう。

とはいえ、反応がなるべく強まる方向ヘ感情の演技を繰り返してゆくと、幸福否定が少しずつ弱まり、それと並行して素直な感情が表出するようになります。

これを比喩的に説明すると、川の急流を遡って行きさえすれば、必ず水源に行き着くことができるので、それ以外の舵とりは不要ということになるでしょう。

ただし、その成果が意識で実感される部分は少なく、主として行動の変化という形で現われます。

その結果、前章で見てきたような、幸福否定の意志によって引き起こされる症状や現象を作る必要性も小さくなります。

ただし、このように行動の変化が先行し、意識がかなり遅れてついていく形になるため、私が“好転の否定” と呼ぶ状態に陥ることがしばしばあります。

これについては後ほど説明します。

感情の演技によって抵抗に直面する作業を続けていくと、症状が好転するだけでなく、それまでどうしてもできなかったことが苦もなくできるようになることを含め、全般的に前向きになるという変化が自然に起こります。

笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版)第4章から引用
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感情の演技 という療法に関する感想

● うれしいという感情を実感できるように訓練すると、幸福否定の意思が弱くなるという因果関係を体験的直観的に首肯できます。

心理療法とか心理訓練とは関係ありませんが、うれしいことや楽しいことで心を満たしている時間(機会)を持った時、それが生活に好影響を及ぼしたと自他の観察から体験しています。

このことと、感情の演技がどこかで通底しているように感じます。

職場でグッド&ニューというアイスブレイクを毎朝行うようになってから、雰囲気が良くなり、生産性が向上しました。

花見川流域を歩く本編2016.01.03記事「趣味活動における「グッド&ニュー」」参照

「ささやかな夢リスト」をブログ記事に書くとその実現が早まるように感じています。

花見川流域を歩く本編2015.01.14記事「ささやかな夢リスト(2013.11.15)をふりかえる」参照


● 肉体的訓練、知的学習的訓練などと比べながら著者の膨大な療法活動を背景に説明されているので、受け入れやすいです。

感情の演技説明にオカルト的、非合理的要素が入り込む余地がないように感じ、安心感を持って受け入れることができます。

● 一般生活で取り組む訓練(例 肉体的鍛錬、語学習得、自動車免許取得…)と同様の苦労レベルで取り組むことができそうな感覚をもちます。

要するに自分でも、周りの人でも、誰でもそれなりの苦労を前提にすれば、成果を上げうる活動であると考えます。

● 心理療法家のサポートが無くても、個人独自に感情の演技を実行してみることによって、素人なりに多少の成果がありそうな印象を受けます。

花見川風景 2016.08.09 早朝

2016年8月6日土曜日

辛く、しかし少しうれしい睡魔

笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版)では幸福な感情を作らせないように、日常生活の中での出来事が自分に大きな幸福をもたらすと判断すると、内心が、心因性の心身症状を瞬時に作りあげる現象を詳しく説明しています。

そのうち一過性に終わるものは反応と呼ばれ、大きく分けて、あくび、眠気、身体的変化の3種類があるとされています。

昨日、ある事情から寝不足状態で趣味活動に着手しました。

寝不足ですから、パソコン作業が佳境に入るといつしか眠ってしまっている自分がいます。

いつもなら、寝不足ですから仕方がないと考え、出直す(睡眠を沢山とってから作業する)ことを考えるところです。

しかし、幸福否定の学習をしていて、作業中の睡魔は幸福否定現象であると判っていますから、自分を観察しながら睡魔と戦ってみました。

まず、趣味活動を止めて、WEBニュースで興味のある記事を読んでみました。

最近の都知事選関連の小池百合子当選、安倍総理との会談、自民党都連の反応…漫然と興味にまかせて記事を読むと、興味はどんどんつながり、次々に記事をクリックしてしまいます。

睡魔はうそのように生じません。

このニュース記事をどんなに読んでも自分に残るものは何もないことは判り切っていますから、自分にとっては低次元の興味本位の時間つぶし以外の何物でもありません。

次に、趣味活動に戻ってみました。

しばらくはパソコン作業が続きます。

パソコン作業をしていると、必ずそこに興味が湧くことが出てきます。気になるから調べておきたいと思う事柄が生まれます。

昨日は過去に検討した墨書土器文字のより正解に近いと考える意味が判りました。

その興味が湧いた瞬間から睡魔が襲いかかってきます。

睡魔に負けないように小休止したり、姿勢を変えたり…、いろいろしますが結局気が付くと瞬間的に眠っている自分がいます。

睡魔を突破して作業を進めることが困難で、遅々として前に進めません。

ここまで自分の観察を進めてきて、辛いだけでなく、何か少しうれしい感情が湧きました。

うれしさは次のことに気が付いたから生まれたのだと思います。


寝不足ということですから、体調レベルが低いということです。

体調レベルが低いので、いつもより幸福否定の反応が強く出たということです。

幸福否定の反応が強く出るということは、自分が希求している幸福の在りかが苦労せずしてわかるということです。

過去に検討して本当らしいと考えていた墨書土器文字の意味について、別のより正解に近いと考える意味に気が付いたのですが、それが自分の趣味活動で重要である(それを追究すれば幸福である)という直観があったからこそ、眠気が生まれたということです。

体調レベルが低いと、作業は進みませんが、自分の幸福のありかが簡単にわかるので、それは便利であるとわかったので、うれしかったのでした。



なお、まだ詳しくわかりませんが、体調レベルが低い時の作業効率低下の仕組みが判ったのですから、その対処法もあるに違いないと感じるようになりました。

体調レベルが低い時は、特定の興味を深める作業(分析作業)は不向きのようですから、多数の情報を俯瞰してその中から興味のあるものを抽出するまでの作業(俯瞰作業)には、うってつけかもしれません。


緊急事態の場合(明日が締め切りなど)、たとえ体調レベルが低くて睡魔に襲われるような状況があっても、ある程度耐えると、状況が180度転換して意欲満々で作業できるようになった体験が過去に何度もあります。その仕組みもいつか検討したいと思います。


最後に、言うまでもないことですが、反応が出たところが幸福なところ(重要なところ)という判断は心の現象であって、客観性のあるものではありません。

例えば、昨日、「過去に検討して本当らしいと考えていた墨書土器文字の意味について、別のより正解に近いと考える意味に気が付いた」ことに反応した(睡魔に襲われた)のは事実ですが、だからといって、本当に正解に近づいている保証があるわけではありません。

もしそれが正解なら、それを突破口により多くの墨書文字の意味が判るに違いないという期待が大きく膨らんだということです。


花見川風景 2016.08.06 早朝





2016年8月4日木曜日

幸福否定と国民勤勉性

とんでもない思考をメモしておきます。

幸福否定という心の現象を十分に理解しているわけでもないのですが、その心の現象に個人差があることは既に学習しました。

2016.07.29記事「幸福否定の個人差」参照

幸福否定という心の現象には個人差があるのですから、必ずや社会や地域による差もあるのではないだろうかと推察したくなります。

幸福否定という心の現象を緩和した集団の社会に占める割合が大きければ、おそらくその集団は科学、文化、芸術、政治、経済などの各界各分野で指導的な役割を果たし、その影響力が社会に及ぶに違いありません。

その結果さらに幸福否定という心の現象を緩和した人々の割合が増えると考えます。

そのような夢想をしているとき、たまたま新聞(日経)に「中所得の罠とアジア」(やさしい経済学 政策研究大学院大学教授 大野健一署名記事)(2016.08.01~連載中)という記事を読みました。

記事の内容は、世界には豊かな国から貧しい国までさまざま存在していて、人と技術の往来がこれほど活発になっても、人類全体の技術や所得が収束していくことは過去も現在もないことの理由を説明するものです。

記事では、アジアでは日本、韓国、台湾、シンガポール以外の国では欧米に追いついていないことの理由がいろいろな観点から述べられています。

そしてその理由の中で特に重要な項目として、国民性と政策の質が国の運命を決めているものとして強調されています。

多くの国では勤勉に働いたり成果を求めたりする文化が必ずしも定着していないことや、中央政府官僚の意欲が高いとはいえないことが経済成長を妨げていると述べられています。

私はこの記事を読んで、経済成長が妨げられている国では、国民とその指導層の双方が勤勉でないことがその主な要因であり、勤勉でないことの背後に幸福否定の心の現象が緩和されることなく、そのまま純粋状態で保たれているに違いないと直観・推察しました。

幸福否定という心の現象を緩和して勤勉な社会を作った国が経済成長し、幸福否定という心の現象の緩和に立ち向かっていない社会では勤勉性が生まれないため国の経済成長が失敗していると考えます。

参考
日本経済新聞「中所得の罠とアジア」(やさしい経済学 政策研究大学院大学教授 大野健一署名記事)

2016.08.01 中所得の罠とアジア① 成長力の欠如や社会混乱が原因

2016.08.02 中所得の罠とアジア② 国民性と政策の質が左右

2016.08.03 中所得の罠とアジア③ 豊富な資源や資金、工業化阻む

2016.08.01 中所得の罠とアジア④ 韓国と台湾、勤勉さに強み

花見川風景 2016.08.04 早朝