2016年7月4日月曜日

長期にわたる趣味単純作業における抵抗の状況的変化

プラス思考実験では抵抗に逃げられてしまったようです。

「実験」というお遊び的な取り組みでは期待通りの成果にはならなかったということです。

実際の趣味活動では大いなる抵抗に合っていて、それを過去に記録していますので、そのメモを「幸せを拒む病」に即して検討してみます。

次のメモはブログ花見川流域を歩く番外編の2016.04.03記事「趣味単純作業における睡魔とその対処法」と2016.04.04記事「睡魔現象の意義」に掲載したものです。

……………………………………………………………………
丸1年かけて千葉県地名大辞典(角川書店)付録小字一覧を電子化して、千葉県小字データベースを作成しました。

その間、長期の無味乾燥単純作業(パソコン入力作業)を継続するためにいろいろな手法を編み出しました。

1 作業の効率化のための工夫を絶えず考えて、小さな工夫でも面倒がらずに実施する。
→工夫することに気が紛れて、いつの間にか作業が進展します。ensembleというソフトを導入した時は実際に特段の効率化がはかられました。

2 頭脳をさして使わない手作業であるので、その作業中の「空いた思考空間」を利用して、別のテーマについて思考する。
→いろいろな思考を展開することができました。また、それで気が紛れて、いつの間にか作業がすすみました。

3 作業中に音楽を聞いて、それを愉しみにする。
→好きな音楽を聴けると思うと、単純作業の拒絶感も少し治まります。

などです。

しかし、眠気には大変悩まさせられました。

毎日、毎日睡魔に襲われるので、その原因と対策についてメモを取りました。

●睡魔の原因に関わる項目
1 前夜の睡眠時間
2 体調
3 作業の単純性
4 作業意義の理解度
→ぼんやり作業に入った時は眠気が激しい?
5 作業の無限継続感
→無限に単純作業が続くと感じると眠くなる。

●睡魔防止策
1 睡眠をたっぷりとる
2 体調管理をしっかりする
3 長時間同じ単純作業が続かないように、工夫する。
4 作業の意義をよく確認してから作業に入る
5 一連作業の区切りを明確にして、一覧表等で作業進捗状況を見える化する。

●睡魔に襲われた時の応急措置
1 睡魔に襲われた時、深呼吸して作業に特段に意識を集中してみる。
2 室内の温度を非快適の方向に調整して、作業環境を劣悪にして、それに耐えるようにして作業する。
3 菓子等を口に入れて、口内に刺激を与える。
→飲み込まないで、刺激を与え続ける。
4 お茶や水を飲む。
5 姿勢をよくする。
→背筋を意識して伸ばして作業する。
6 休息を適時とる。
→1時間に5分程度の定期休息のほか睡魔が襲った時に1~2分休む。

さて、この徹底して悩まされた睡魔も、全体の作業分量が残り2割程度になると、つまり、ほぼ確実に作業を完結できることが予想された時、ものの見事に消失しました。

作業の先が見えたとたんに睡魔現象が私から雲散霧消したのです。

それからは毎日、睡魔に悩まされることなく、単純作業に集中できました。

これで、睡魔がなぜ存在していたのか、その本質が少しわかってきました。



睡魔の劇的消失から、睡魔現象の意義がよくわかりました。

睡魔現象の意義について次にまとめました。


睡魔現象の意義

睡魔現象の真の原因は前夜の睡眠時間、体調、作業の単純性、作業意義の理解度、作業の無限継続感などではなく、自分の中にある心の仕組みとしての課題設定(抵抗設定、負荷設定)にあったのです。

単純作業には睡魔という単純な課題(抵抗、負荷)が設定されたということです。

おそらく、人が生きるうえでのすべての活動に、それにふさわしい課題(抵抗、負荷)が内部的に設定されていて、意識するかどうかは別ですが、その課題克服(解決)が、生活そのものなのだと思います。

……………………………………………………………………
1年間かかった単純作業は苦痛そのもので、それを緩和するための工夫は以上にメモした通りです。

そして、感動的に体験したことは、個人で行うなどとんでもないと考えていた作業が「完成出来る」と確信できたとたんに、睡魔現象が霧散したことです。

それを上記表のように、心の中にある抵抗勢力の妨害が、抵抗が失敗したと判った瞬間に抵抗を止めたことであると理解しました。


このメモで書いたのと同じような抵抗の強さの時間的変化曲線が笠原敏雄著「幸せを拒む病」に出ていて次のような説明をしています。

抵抗の強さ曲線
笠原敏雄著「幸せを拒む病」から引用

「時間の余裕がある時には着手が難しいのに対して、締切りまぎわになるとそれが急速に容易になるという変化は、…時間的ないしは状況的対比に当たります。

締切りまぎわまでの長い時間と締切り直前の時間帯とを対比させ、内心が抵抗の強さを一変させるわけです。

したがって、この課題を先送りしてきた理由は、「計画に従って自発的にとり組むことは自分にとって苦痛だ」と、内心が自分の意識に思い込ませることにあったということです。

裏を返せば、本当は、時間の余裕のある段階から、その課題にじっくりととり組み、よいものにしたかったという、強い願望があったことになるでしょう。」(笠原敏雄著「幸せを拒む病」から引用)


締め切り間際まで着手が難しい現象は内心が長い時間と直前の時間を対比させて、長い時間では抵抗を強くし、直前の時間では抵抗を弱めて、結果として計画的に物事を進めることは苦痛だということを思いこませようとしているという説明です。

この説明と同じ説明を私の体験にも当てはめることができると考えます。

つまり、次のように説明できると考えます。

私の内心は、残作業量が膨大に見えている状況と残作業量が確実に消化できる状況とを対比させ、抵抗の強さを一変させた。

残作業量が膨大に見える状況では抵抗を強くし、残作業量が確実に消化できる状況では抵抗を弱めて、結果として計画的自発的に作業に取り組むことは苦痛であることを思いこませようとした。

抵抗がどのようなものであるか、その一端を解釈できました。

0 件のコメント:

コメントを投稿