笠原敏雄著「幸せを拒む病」(フォレスト出版、2016.06)第1章「身近な出来事に潜む"幸福否定"」の中に「”プラス思考” の難しさ」という小見出しがあります。
そこでは次のことが語られています。
「プラス思考という考えかた自体は悪くないのですが、問題は、それが、言われているほど簡単なことなのかどうかという点にあります。
たとえば、特に用事がない時に、一日中何もせずにリラックスした状態で、眠らないようにしながら、自分にとってプラスになることを考え続けてみてください。
自分が抱えている問題が解消することでも、病気が治ることでもいいですし、同僚から評価され
ることでも、大切な相手から愛されているということでもいいでしょう。
それを、単なる空想ではなく、なるべく現実的に実感を伴って考えるようにするのです。
空想的になりやすいので、その場合には早く戻す努力をします。
試してみればすぐにわかりますが、最初のうちはできても、しばらくすると不安がよぎるようになり、次第に悪い記憶や予測が意識に浮かび上がり、しまいには、意識が暗雲に覆われてしまうことが多いはずです。
それと並行して、頭痛や腹痛や便意が襲ってきたり、いつのまにか眠り込んでしまったりすることも少なくありません。
単なる空想であれば、しばらくは続けられるでしょうが、それでも長くはもちません。
いわゆる楽観的な人であっても、現実的に前向きの方向に考え続けるのは非常に難しいのです。
ところが、悪いことであれば、いつまでも考え続けることができますし、その時に「反応」が出ることもありません。
この大きな違いの原因は、どこにあるのでしょうか。
いずれにせよ、人聞は一般に、悪いことを考えるのは簡単であるのに対して、自分にとってプラスになることを実感を伴って考えるのは、なぜか非常に難しいことがわかります。
以上のことからわかるように、通常の「プラス思考」という方法では、自分を変える力にならないということです。」
ここで書かれている方法で実際にプラス思考実験をしてみました。
空想的にならないで、現実の感覚を持ちながら、これからの生活が好転する事態を考えてみました。
趣味活動、健康、お金、家族、・・・
出来るだけ具体的状況のなかで、このように好転したらうれしい、このようにしたら好転するかもしれない・・・
ここでその具体的な思考内容を詳述することは省きますが、…
次から次へとプラス思考が発展してしまいます。
密かに期待した「不安がよぎること、悪い記憶や予測が意識に浮かび上がること、意識が暗雲に覆われてしまうこと」が発生しません。
30分ほどプラス思考を発展させてから終わりにしました。
「確かにプラス思考は難しく、笠原敏雄さんの言う通りです」という予定調和的記事が書けない状況になってしまいました。
なお、趣味活動、健康、お金、家族、・・・はもちろんそれぞれに課題があります。そしてその課題をふくめてそれらの好転を考えたのですが。
笠原敏雄さんの幸福否定説によれば、反応は必ず出るはずですから、私の思考実験がどこかで失敗したのだとおもいます。
反応がでるような思考をしなかったということです。
あるいは、私のプラス思考実験が笠原敏雄さんが上記引用文で想定した思考であるならば、「人聞は一般に、悪いことを考えるのは簡単であるのに対して、自分にとってプラスになることを実感を伴って考えるのは、なぜか非常に難しい」けれど、私はたまたまかもしれないが、プラスになることを考えることができた、とうことになります。
思考実験が失敗した理由、あるいはたまたまかもしれないけれどもプラス思考ができた理由は、私の場合、その理由はすぐに見つかります。
私は毎日早朝散歩を1時間ほど行っていて、その時間は単純な風景・自然観察やフィジカル向上を目的にするのではなく、メインは思考活動です。
自分の夢(希望)をリストアップしてその実現方策を考えるという思考をもう数年間毎日毎日1時間行ってきたのです。
プラス思考の徹底した訓練を行ってきたのです。
単純なプラス思考そのものの訓練ではなく、思考結果を生活に投影して生活改善を図ってきています。
実践的プラス思考はある意味で、お手の物ということなのだと思います。
ですから、私の場合次のようなことが考えられます。
1 プラス思考のパターンが強く形成されているため、実験が失敗した。(空想的思考に終始した。)
2 一般よりプラス思考が身に着いていた。
なお、早朝散歩を始める数年前、あるいはもっと前の私は、笠原敏雄さんのいうとおりいつも「不安がよぎること、悪い記憶や予測が意識に浮かび上がること、意識が暗雲に覆われてしまうこと」が日常の思考であったことは具体的体験としてよく覚えています。
このプラス思考実験から次のような感想をもちました。
1 笠原敏雄さんの言う「人聞は一般に、悪いことを考えるのは簡単であるのに対して、自分にとってプラスになることを実感を伴って考えるのは、なぜか非常に難しい。」は自分の過去体験から間違いないと断定できます。
2 しかしプラス思考は時間をかけた訓練でそれなりに身に着けることができると考えます。
3 プラス思考を身に着けることが可能であるからこそ、笠原敏雄さんの具体的方法(感情の演技)も有効であると考えます。
4 笠原敏雄さんを知らない過去において、私は笠原さんが言うところの「グズを治す本」や生活改善技術を学習してプラス思考をある程度習得していた可能性を排除できません。
5 笠原敏雄さんは「グズを治す本」や生活改善技術は役立たないと指摘していますが、それは笠原敏雄さんが自ら行う心理療法に限ったことで述べているのだと理解します。
6 心理療法とかかわらない一般人の生活において、「グズを治す本」や生活技術を学習することが役立つか、役立たないかについて、笠原敏雄さんは専門的検討対象にしたことはないと理解します。
プラス思考実験において反応を捉えることが出来なかったので残念ですが、感情の演技では必ず捉えられると思いますので、次の実験に期待します。
なお、日常の生活で自分なりの反応を体験していますので、それは別記事で説明します。
花見川早朝風景 (弁天橋から下流)
0 件のコメント:
コメントを投稿